フリーランスの“普通”をSNSで決めない
SNSを見ていると、すごい人がたくさんいます。
月収○万円。
副業を始めて数か月で本業超え。
AIを使って短期間で収益化。
アフィリエイト、note、SNS、Web制作。
働き方も、収入の作り方も、本当にいろいろです。
参考になる投稿もたくさんあります。
「そんな仕事もあるんだ」
「そのやり方は使えそう」
と、SNSで初めて知ることもあります。
一方で、ひとりで仕事をしていると、タイムラインに流れてくる数字を見ながら、
「これが今の普通なのかな」
と思うこともあります。
周りはもっと稼いでいるように見える。
自分だけ仕事が減っているように見える。
みんな新しいことを始めて、うまくいっているように見える。
でも、SNSでよく見かける景色と、世の中全体の景色は同じではありません。
私はSNSを、仕事や働き方についての情報を拾う場所としてかなり使っています。
ただ、
自分の現在地を測る場所にはしない。
これは、長くフリーランスとして働く中で意識するようになったことのひとつです。
SNSには「Webライターで月収○万円」がたくさんいた
私は長くWebライターの仕事をしてきました。
その間、SNS上のライター界隈もかなり変わりました。
ある時期から、
「Webライターで月収○万円」
「今月は○万円でした」
といった収入の投稿が、かなり目につくようになりました。
タイムラインを見ていると、高収入のライターがとにかくたくさんいるように見えました。
当時の私は、比較的仕事が順調だったこともあり、それを見てすぐ不安になるというより、
「本当にこれが一般的なんだろうか」
という違和感の方が強かったと思います。
そこで、実際のフリーランスやライターの収入について統計を調べました。
細かい数字まではもう覚えていませんが、SNSで見えていた景色と、統計から見える景色が思っていた以上に違ったことは覚えています。
そのとき、
タイムラインでよく見るものが、そのまま世の中の多数派とは限らないんだ
と実感しました。
今考えれば、当たり前のことです。
SNSにはすべての人が同じように投稿しているわけではありません。
収入について発信する人もいれば、まったく発信しない人もいます。
私自身、仕事や収入が増えたときに、その数字をSNSへ載せたいとはあまり思いませんでした。
だから、SNSに見えている数字だけで全体像を想像するのは難しい。
それ以来、タイムラインでよく見る数字と「世の中の普通」は、少し切り離して考えるようになりました。
月収は、その人の働き方まで説明してくれない

当時からもうひとつ気になっていたことがあります。
月収についてはかなり具体的に書かれているのに、
その数字になるまでに何をしているのかは、意外と見えない
ということです。
たとえば、
「月収50万円」
という数字があったとします。
でも、その50万円をどう作ったかによって、働き方はまったく違います。
朝から晩まで受託の仕事をして作った50万円かもしれない。
複数の収入源を組み合わせた結果かもしれない。
一度だけ大きな案件が入った月かもしれない。
毎月ある程度安定して続いているのかもしれない。
同じ数字でも、その背景にはそれぞれ違う生活があります。
どの働き方が良い悪いという話ではありません。
本人が望んでいる働き方なら、それでいい。
ただ、月収という結果だけを切り取って、自分と横に並べても、その人がどんな仕事や生活をしているのかまではわかりません。
月収はひとつの数字ではあっても、働き方そのものではない。
これは、SNSで収入を見るときに意識しておきたいことだと思っています。
SNSの数字は、自分の状況によって見え方も変わる

同じ投稿でも、自分がどんな状態にいるかによって受け取り方は変わります。
当時の私は、比較的仕事が順調でした。
だから高収入の投稿を見ても、
「自分はダメだ」
ではなく、
「これ、本当に一般的なのかな」
と少し距離を取って見られました。
でも、案件が減っているときだったら、たぶん違ったと思います。
仕事が取れない。
収入が減っている。
この先どうなるのかわからない。
そんなときに、
「今月も最高月収更新!」
「開始数か月で本業超え!」
という投稿が次々に見えたら、不安になると思います。
これは、今の私にもあります。
最近は働き方そのものを組み直している途中なので、
「もうライターじゃ稼げない」
という人を見たり、
「AIとアフィリエイトを組み合わせて短期間で成果が出た」
という発信を見たりすると、
「え、私このままで大丈夫かな」
と思うことは普通にあります。笑
長くフリーランスをやっていても、タイムラインを見て不安にならなくなるわけではありません。
だからこそ、
今この投稿を見て焦っているのは、投稿そのものの問題なのか。
それとも自分が今、不安な状態だからなのか。
一度分けて考えるようにしています。
今は、そもそも同じ土俵で比べるのが難しい

最近は、以前よりさらに比較が難しくなったように感じます。
昔なら、
「Webライターとして月○万円」
のように、まだ仕事の種類がわかりやすい発信が多くありました。
今は違います。
AI。
アフィリエイト。
note。
SNS。
コンテンツ販売。
Web制作。
Webデザイン。
LINEスタンプ。
受託と自分の事業を組み合わせている人もいます。
ひとりで複数の仕事を持つことも、以前より珍しくありません。
これは悪いことではなく、私自身もひとつの仕事だけに絞らず、いろいろ試しています。
ただ、そのぶんSNSで見かけた収入を、
「同じフリーランスだから」
という理由だけで自分と比較することは、ますます難しくなりました。
ライターと、アフィリエイトをしている人。
受託中心の人と、自分の商品を持っている人。
ひとつの仕事に集中している人と、複数の収入源を組み合わせている人。
同じ「フリーランス」でも、中身はかなり違います。
だから今は、
「この人はいくら稼いでいるか」より、「この人はどういう仕事の組み方をしているんだろう」
という方を見るようになりました。
自分にも取り入れられそうな考え方があるなら参考にする。
今の自分とは条件がかなり違うなら、「こういうやり方もあるんだな」と知識として持っておく。
同じ土俵に立っている前提で競争しなくてもいいと思っています。
統計も「普通」を決める答えではない
SNSだけでなく、統計を見るときも少し注意が必要です。
一般社団法人フリーランス協会が2026年6月9日に公開した「フリーランス白書2026」では、回答者1,426人のうち、年収400万円以上が49.5%でした。
もっとも多い収入帯は「200万円以上400万円未満」の27.7%。次いで「400万円以上600万円未満」が19.9%です。
一方、月間稼働時間が140時間以上の人は48.5%でした。
こうしてSNSより広い範囲のデータを見ると、フリーランスの収入にはかなり幅があることがわかります。
ただ、この数字も、
「だからフリーランスの普通はここ」
と線を引くためのものではありません。
統計には、その調査で誰を対象にしたかという前提があります。
別の調査なら、対象者も結果も変わります。
私は以前、SNSで見えている景色に違和感を持ったとき、統計を見ることで少し広い視点を持てました。
今でも、それは有効だと思っています。
でも統計の役割は、自分が平均より上か下かを判定することではなく、
タイムライン以外にも、もっと広い現実があると知るための材料
くらいでいい。
SNSも統計も、自分の現在地を考えるために使える情報のひとつです。
そこから何を参考にするかは、自分の働き方や目的に合わせて決めればいいと思っています。
「全部信じる」「全部疑う」の間くらいで見る

私は、SNSの成功談を全部疑った方がいいとは思っていません。
本当にうまくいっている人もいる。
自分よりずっと仕事の作り方がうまい人もいる。
知らなかった方法を教えてくれる人もいます。
実際、SNSで見つけた情報から、
「これやってみよう」
と思うこともあります。
一方で、タイムラインに書いてあることをすべて自分の基準にする必要もありません。
私が今いちばん近いのは、
条件を見る。
必要なら一次情報や統計を確認する。
自分に使える情報だけ持ち帰る。
このくらいの距離感です。
過度にネガティブな情報も、過度にポジティブな情報も、なるべくそのまま受け取らないようにしています。
もちろん、目には入ります。
それで不安になることもあります。
でも、
「この人はこうなんだな」
と一度切り離す。
参考になるところがあるなら、それだけ持って帰る。
その方が、SNSとは付き合いやすいと思っています。
誰かの成功を目標にするのはいい

誰かを目標にすることまでやめる必要はありません。
むしろ、
「こういう働き方いいな」
「こんな仕事の作り方があるんだ」
と思える人を見つけられることは、SNSのいいところです。
私は、時間も場所もお金も、ある程度自分で選べる働き方を続けたいと思っています。
自分の中で「こういうふうに暮らしたい」と思っていた形に近づけたけれど、今までと同じ仕事のやり方だけでは、それをこの先も続けるのは難しいと感じています。
だから今は、働き方をもう一度組み直している最中です。
うまくいきそうなものもあります。
まだ全然芽が出ていないものもあります。
それでも、
「じゃあ次はどうするか」
を考えて、自分で決めたことを試している途中です。
そんなとき、SNSで新しい選択肢を知れるのはありがたい。
でも、誰かがうまくいっているからといって、
「自分も同じ速度でそこへ行かなければならない」
とは思わなくていい。
目標と比較は、似ているようで少し違います。
参考にして前へ進めるなら見る。
見たことで自分を否定し始めるなら、少し離れる。
それくらいで付き合うことが大切なのではないでしょうか。
SNSは、現在地を測る場所ではなく情報を拾う場所

ひとりで仕事をしていると、自分が今どのあたりにいるのかわかりにくくなります。
会社なら、同僚がいます。
同じ組織の中で働く人がいます。
給与体系や評価制度もあります。
フリーランスには共通の物差しがほとんどありません。
仕事内容も違う。
働く時間も違う。
必要な生活費も違う。
家族構成も違う。
今後やりたいことも違う。
それなのに、タイムラインに流れてきた誰かの月収だけを切り取って、
「自分は上か下か」
を考えても、あまり意味がありません。
SNSでは、目立つ数字や成功談が何度も目に入ることがあります。
でも、それが世の中全体の標準とは限りません。
そして、その人の成功条件がそのまま自分に当てはまるとも限りません。
だから私はSNSを、
自分の現在地を測る場所ではなく、情報や選択肢を拾う場所
として使いたいと思っています。
知らなかった仕事を知る。
新しい考え方を知る。
参考になる方法を見つける。
必要なら元の情報まで確認する。
自分に使えそうなら試す。
それで十分です。
誰かの月収を、自分の通信簿にする必要はありません。
タイムラインの「普通」と、自分の普通を分けて考える
SNSには、本当にすごい人がいます。
実際に、自分より稼いでいる人は数えきれないほどいるでしょう。
短期間で驚くような結果を出す人もいる。
仕事が順調な人もいるでしょう。
でも、その投稿を何度も見るからといって、それが世の中の標準になるわけではありません。
目立つ数字だけで、世の中全体を判断することはできません。
統計を見れば、もう少し広い景色は見えます。
それでも「普通」をひとつに決めることはできません。
だから、
全部信じなくていい。
全部疑わなくてもいい。
条件を見る。
必要なら確認する。
使える情報だけ持ち帰る。
そして、自分の現在地や、自分がどう働きたいかは、自分の条件で考える。
SNSは、そのための材料をたくさん拾える場所です。
でも、自分の価値を採点してもらう場所ではありません。
タイムラインには、すごい収入や成功談が今日もたくさん流れてきます。
参考になるものは参考にする。
でも、それをそのまま自分の「普通」にはしない。
ひとりで働き続けるなら、それくらいの距離感がちょうどいいと思っています。
