フリーランスは休むのが怖い?仕事をしていないと不安・罪悪感がある理由

「今日は休んでも納期には影響しない」
「急ぎの連絡もない」
「別に今日仕事をしなくても、売上が大きく変わるわけでもない」

それなのに、何もしないでいると落ち着かず、結局パソコンを開いてしまう。

フリーランスとして働いていると、こうした感覚を持つことがあります。

ただし、これは仕事量が多すぎて物理的に休めない状態とは別の問題です。

時間は空いている。今日やらなければならない仕事もない。それでも、「仕事をしていないと不安」「何もしない一日がもったいない」と感じてしまう。

そんなときは、休日を増やす前に、「なぜ、仕事をしなくてもいい時間まで仕事で埋めたくなるのか」を考えてみた方がよいかもしれません。

本記事では、フリーランスが休めるのに仕事をしてしまう理由と、仕事をしていない時間に不安や罪悪感があるときの考え方を紹介します。

    フリーランスは「休めない」のではなく、休めるのに仕事をしてしまうことがある

    まず、忙しくて休めない状態と休めるのに仕事をしてしまう状態は分けて考える必要があります。

    納期が迫っている、仕事量が多い、クライアント対応が続いている。

    こうした場合は、そもそも休める時間がありません。必要なのは、案件数やスケジュールを見直したり、休日を先に確保したりすることです。

    一方、

    • 納期には余裕がある
    • 今日やらなくても困らない
    • 急ぎの連絡もない
    • 休んでも誰にも迷惑がかからない

    のに、なぜか仕事を始めてしまうこともあります。

    フリーランスは、会社の休日のように外から仕事を止めてもらえるとは限りません。

    仕事が終わっても営業はできる。
    SNSも更新できる。
    勉強もできる。
    ブログも書ける。
    次の仕事を前倒しすることもできます。

    つまり、やろうと思えば仕事はいくらでも作れる状態です。

    だからこそ、「全部終わったら休もう」ではなく、まだできることはあるけれど、今日はもう仕事をしないと自分で区切る必要があります。

    休んでも問題ないのに仕事をしてしまう4つの理由

    どうして、休んでも問題ないのに仕事をしてしまうのでしょうか。人によって理由はそれぞれですが、代表的な理由を見ていきましょう。

    やろうと思えばできる仕事がなくならない

    フリーランスの仕事は、納品する案件だけではありません。

    たとえば、

    • 営業する
    • SNSを更新する
    • ポートフォリオを直す
    • ブログを書く
    • 経理をする
    • 勉強する
    • 事業を改善する

    など、期限はなくても「やった方がよさそうなこと」があります。

    納品がすべて終わっても、「今のうちに営業しよう」「次の記事を書こう」「来週分まで進めよう」と考えれば、やることはなくなりません。

    「やれることが全部終わったら休む」という条件自体が成立しにくいのが、フリーランスの難しいところです。

    働けば収入になるため、休むのがもったいなく見える

    働く量と収入が直接つながる仕事では、休んだ時間が「本来なら稼げた時間」に見えることがあります。

    1本多く受ければ、その分売上が増える。
    仕事を早く終わらせれば、さらに別の案件を受けられる。

    筆者も以前は、仕事を前倒しして余裕ができると、その空いた時間に追加の仕事を入れることがありました。

    前倒しする。
    空きができる。
    新しい仕事を入れる。
    また前倒しする。

    これを繰り返すと、効率が上がっても自由時間は増えません。

    ただし、実際に生活費が不足していたり、売上が不安定だったりする場合は別です。その場合は「休むことへの罪悪感」ではなく、収入や手元資金の問題として考える必要があるでしょう。

    予定外にできた空白を「無駄な時間」と感じる

    あらかじめ決めた休日は休めるのに、予定より早く仕事が終わって突然空いた時間は落ち着かないというケースもあります。

    筆者の場合も、旅行や遊びなど、先に「この日は休む」と決めた休日は普通に休めていました。

    引っかかりやすかったのは、仕事を前倒しした結果として突然できた空白です。

    ベッドでスマホを見たり、ドラマを一気見したり、昼から料理をしてお酒を飲んだりする。
    普通に休んではいるのに、夜になると、「今日、一日何もしてないな」と感じる。

    これは「休むことが怖い」というより、成果が残らない一日を低く評価している状態に近いです。

    仕事と休みの境界を自分で決めなければならない

    会社員であれば、勤務時間や休日が制度として決まっていることがあります。

    一方、フリーランスは、「仕事をしてもいいし、しなくてもいい」という自由がある分、区切りも自分で作らなければなりません。

    仕事がなくなるのを待っていたら、いつまでも終わらない。

    だから、「働けるけれど今日は働かない」と決めることが必要です。

    まず「なぜ休めないのか」を切り分けてみよう

    「休めない」と感じていても、その理由によって必要な対応は変わります。

    まずは、今の自分がどの状態に近いのかを整理してみましょう。

    今の状態考えたいこと
    仕事量そのものが多くて休めない案件数・納期・スケジュールを見直す
    仕事を減らしたいけれど断れない案件を減らす・条件を変える
    休むと収入が減るのが怖い必要な売上・生活費・手元資金を確認する
    休んでも問題ないのに何もしないと落ち着かない空白時間や成果のない一日への感じ方を見直す
    単純に仕事がしたい無理に休む必要はない

    仕事量が多くて休めない

    納期が詰まっている、案件数が多い、予定をうまく整理できていないといった理由で休めない場合は、今回扱っている「休めるのに仕事をしてしまう状態」とは別の問題です。

    まずは、仕事量やスケジュールそのものを見直す必要があります。

    以下の記事では、仕事を維持しつつ休みを作る方法を解説しています。

    仕事を減らしたいのに依頼を断れず、結果的に休めなくなっている場合は、案件を受ける基準や断り方から考え直した方がよいでしょう。また、納期が重なっている、複数案件の予定を整理できていないといった場合は、まずスケジュール管理そのものを見直す必要があります。

    以下の記事で、仕事の断り方や複数案件の管理方法を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

    収入が減るのが怖い

    「休みたいけれど、その分売上が減るのが怖い」という場合も、単純に休むことへの罪悪感だけではありません。

    「毎月いくら必要なのか」「どのくらい売上が落ちても大丈夫なのか」「手元にどの程度お金を残しておくのか」が分からない状態では、休むこと自体が不安になりやすくなります。

    この場合は、休み方よりも、お金の問題として見直す必要があります。

    以下の記事で、フリーランスの生活防衛資金について解説しているので、併せて参考にしてみてください。

    何もしない時間が落ち着かない

    仕事量にも収入にも問題がなく、今日仕事をしなくても困らない。それでも何もしないでいると落ち着かず、今日やる必要のない仕事まで探してしまう。

    この状態は、今回の記事で扱っている「休めるのに休めない」の状態に当てはまるでしょう。

    仕事そのものではなく、空いた時間や成果の残らない一日をどう感じているのかが関係している可能性があります。

    こうした状態のときにどう考えればよいのかは、次の章で詳しく解説します。

    単純に仕事がしたい

    仕事が好きで「暇だからやりたい」と思っているなら、必ずしも休む必要はありません。好きな仕事をしていて、休日に少し作業すること自体が楽しいのであれば、それも一つの過ごし方です。

    重要なのは、「仕事をしたいから働いている」のか、「仕事をしていないと不安だから働いている」のかを分けることです。前者なら、無理に「休まなければ」と考える必要はありません。

    休めるのに休めないときの対処法

    ここからは、休めるのに休めないときの4つの対処法を見ていきましょう。

    今日やる必要がある仕事か確認する

    仕事をしようと思ったら、まず、「これは今日やらないと困ることか」を確認しましょう。

    納期が今日。
    今日中に返信が必要。
    明日の仕事に影響する。

    こういった事情がなければ、必ずしも今日する必要はありません。

    「忘れる前にやらなくちゃ」と思うなら、メモだけして終わらせるのも一つの方法です。

    空いた時間をすぐ仕事で埋めない

    予定より早く終わると、「じゃあ次もやろう」と考えがちです。

    ただ、前倒しによって生まれた時間を毎回仕事へ戻していたら、効率が上がっても休みは増えません。

    早く終わったなら、遊びに行ってもいいし、別のことをしてもOKです。もちろん、何もせずに過ごしても構いません。

    「空いた時間=追加で働く時間」と考えないことも、フリーランスがうまく働いていくためのポイントです。

    1日を生産性だけで採点しない

    仕事をした日は、「1本納品した」「これだけ売上になった」「来週分まで進んだ」というように、成果が分かりやすく残ります。

    仕事をしていない時間には、

    • 本を読む
    • 趣味を楽しむ
    • 出かける
    • ドラマを見る
    • 寝る
    • 何もしない

    といった過ごし方がありますが、こうした時間には、仕事のような数字や成果が残りません。そのため、「何もしなかった」とマイナス評価をしてしまいがちです。

    とはいえ、勉強になる本を読む、仕事につながる場所に出かける、発信のネタのために趣味をするといった状況は、仕事をしていなくても、ずっと仕事の基準で時間を評価している状態です。

    休日は有意義に過ごさなければならないものではありません。
    「今日は何も成果がないけど、それでいい」と思えるようになることも大切です。

    どうしても成果を作りたいと考えてしまうなら、「いつも頑張ってる自分を休ませてあげられた」と考えてみましょう。

    休みを仕事のために正当化しなくてもいい

    いくつかの研究では、仕事から心理的に離れる時間が、心身の回復やウェルビーイングなどに関連するとされています。

    仕事をしていない時間に、仕事上の課題や考えから心理的に離れることは「心理的ディタッチメント」と呼ばれます。

    日本人労働者2,520人を対象とした2014年の研究では、ワーカホリズムのうち「強迫的に働く傾向」が強いほど、心理的ディタッチメントが低い傾向にあることが分かりました。

    また、159件の実証研究を整理した2023年のシステマティックレビューでも、仕事から心理的に離れることは、心身の回復やウェルビーイング、仕事のパフォーマンスに関わる重要な要素として扱われています。

    もちろん「休めば生産性が上がる」「休めば明日の仕事がはかどる」という理由だけで、休みを正当化する必要はありません。

    それでは結局、「休む時間にも仕事上の価値を求めている」ことになります。

    疲労回復にならなくても、アイデアが生まれなくても、仕事をしない時間を持つことはできます。休みまで「仕事に役立つか」で採点しないようにしましょう。

    仕事をしたいなら、無理に休む必要はない

    休日に仕事をすること自体が悪いわけではありません。

    仕事が好きで、「今日は暇だから少しやろう」と納得して働いているなら、それも一つの過ごし方です。無理にPCを閉じる必要はありません。

    ただし、

    「休みたいのに仕事を始めてしまう」
    「何もしない自分を毎回責める」
    「疲れているのに止められない」

    といった状態が続くのであれば、一度仕事との距離を見直した方がよいでしょう。

    心身の疲れやストレスが強い場合は、厚生労働省「こころの耳」などのセルフチェックを利用して、自分の状態を確認する方法もあります。

    休めるのに休めないなら、「なぜ仕事をするのか」を考えてみる

    フリーランスの仕事は、やろうと思えばいくらでも増やせます。

    案件が終わっても営業ができる。
    勉強もできる。
    ブログも書ける。
    次の仕事も前倒しできる。

    そのため、「仕事が全部終わったら休もう」と考えていると、休むタイミングが永遠に来ないことがあります。

    休んでも問題ないはずなのに仕事を始めたくなったら「なぜ今、仕事をしようとしているのか」を一度考えてみてください。

    収入が不安なのか。
    空いた時間が落ち着かないのか。
    成果のない一日が嫌なのか。
    単純に仕事がしたいのか。

    理由によって、必要な対応は変わります。

    今日やらなくても困らない仕事なら、今日はやらないという選択を取ることも大切です。

    働く時間だけでなく、働かない時間をどう扱うかもこの機会に考えてみるとよいでしょう。

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